1日数分で余分な脂肪だけが燃やせると噂の「HIIT(ヒット)トレーニング」を紹介します。
HIITと呼ばれるトレーニングは、「High-intensity interval training」の頭文字をとった、全力運動とゆるい運動を繰り返す高強度インターバルトレーニングです。
自転車のオリンピック日本代表選手が始めていて、人気となった追い込み重視のトレーニングです。
海外で支持されたHIIT(ヒット)トレーニング
HIITトレーニングとは日本人の名が付いている日本発のトレーニング方法です。欧米では「TABATAプロトコル」と呼ばれている有名なトレーニング理論です。
TABATAプロトコルとは
立命館大学の「田畑泉教授」がHIITトレーニングの有用性を論文で発表し、自ら考案したメゾットが「TABATAプロトコル」です。「20秒間の高強度運動+10秒間休憩」という運動を1セットで8回繰り返します。
筋肉量はキープしながら脂肪だけ燃焼させるといわれる効率のよいトレーニング方法です。
海外で人気に火がついて逆輸入してきて、ここ日本でも「タバタ式トレーニング」としてスッカリ定着してきました。
最近はTVや雑誌などにも取り上げられる回数が増えてきています。ランニング情報系雑誌のマラソン練習法には、TABATAをやったあとに3kmのランニングをするみたいな感じで普通に使われてます。
有酸素運動のやり過ぎは筋肉も消費する
タバタ式トレーニングは筋肉を減らさずに脂肪だけ落とせるとのふれこみがあります。
このトレーニングの優れたところは、筋肉を消費せず脂肪だけが減っていくという点だとネットとかで言われています。
ジョギングやウォーキングなどの有酸素運動は、30分を超えたら脂肪以外の筋肉もエネルギー源として使われてしまいます。
その為にあまり長い時間を使って有酸素運動を行いますと、筋肉まで落ちてしまいます。長期距離ランナーの体型がよい例です。
マラソン選手は痩せてギスギスのイメージがありますよね。あんな感じが走り過ぎのイメージです。ということで筋肉を増やしたい人は走り過ぎ厳禁なのです。
カタボリックを防止する
有酸素運動のやり過ぎは筋肉が分解される「カタボリック」という現象を起こさせます。
タバタ式トレーニングでは、有酸素運動で起こる筋肉の喪失が防げると言われ、長距離ランナーとは違って「短距離ランナー」のような筋肉”モリモリ”の体が目指せるとのことです。
筋肉を減らさないジョギングのやり方
前述したとおりランニングなどの有酸素運動は30分経過すると、脂肪だけじゃなく筋肉までエネルギーとして使われます。
こうした有酸素運動で起こる筋肉の損失を防ぐためには、ジョギングを30分以内に切り上げるか、時間を空けて1日2回のジョギングが理想です。
1日で10kmのジョギングするなら、「朝5km」走って夜に「5km」走るみたいな感じです。もしくは30分ランニング⇒休憩20分~30分⇒30分ランニングというパターンです。
まとめるとこんな感じです。
「筋肉は減らしたくない!でも長い距離をランニングしたい!」。そういう時は以下のメニューで走ります。
例1)30分ほどの休憩を挟んで走る
ランニング(30分)
↓
休憩および筋トレ(20分~30分)
↓
ランニング(30分)
例2)午前中と午後にわけて走る
朝にランニング(30分)
↓
夜にランニング(30分)
タバタ式トレーニングはこんな事に気を使わなくてもいいので取り入れてみたわけです。
タバタプロトコル実践編
タバタ式トレーニングの基本は、心拍数を上げて無酸素運動と有酸素運動を繰り返します。
たとえば「全力ダッシュと軽いランニングもしくは休憩」を8回~10回繰り返します。
要は部活でよくやらされていたグラウンド10周の後は「ダッシュ10本!」みたいな地獄の昭和的なトレーニングです。
とくに足腰に負荷がかかる坂道ダッシュが効果的なようでうす。
内容はダッシュ以外に「スクワット」や「縄跳び」でもいいのです。これらの運動を全力でやるのがポイントです。
全力を出し切って心拍数を限界まで上げないと効果は薄れます。
基本のトレーニング内容は以下のとおりです。
20秒間の全力ダッシュ➡10秒休憩
名付けて「タバタダッシュ」です。私はこれを5回繰り返すトレーニングを行っていました。
死を感じるダッシュトレーニング
「タバタダッシュ」は冗談ではなく本当に死にそうになる程、恐ろしくハードでした。
ダッシュを繰り返すトレーニングは、いい歳の男性には危なくておススメできません。実際に試してみてどエライ目に合いました。
このトレーニングをやったところ3回繰り返しただけで、心臓が”バックバク”して「過呼吸」になり危険な香りが漂ってきます。
「20秒長っ!」て感じながらダッシュしてました。しかもこんなことを真夏でしかもジョギング途中の公園でやっていたました。
キツイなんてもんじゃありません。「こんなこと続けてたら死ぬぜっ!」て思いました。
2017年の紅白歌合戦で過呼吸になってぶっ倒れた「欅坂46」3人の気持ちが痛いほどわかりました。
少年の頃に部活でダッシュを何本もやっていた自分がウソのようです。寄る年波には勝てません。
40代以上でこんなヤバい運動をやってはいけません。やっていいのはサッカーの「キングカズ」ぐらいのもんです。
とくに「高血圧の人」や日頃から運動していない人は、絶対の絶対にやってはダメです。自殺行為に等しいです。
尋常じゃない筋肉痛を経験
そして「タバタダッシュ」を1回やっただけで、翌日とんでもない筋肉痛に見舞われました。この筋肉痛が20日ほど取れませんでした。
絶対にどっかケガしたと思っていました。なぜなら通常2日ぐらいで治るはずの筋肉痛がいつまでも消えません。それにくわえ痛みの質が違っていたのです。
普通の筋肉痛ってちょっとイタ気持ちいい感覚ですけども、この時の筋肉痛は強い打撲を受けた後のような鋭い痛みなのです。筋肉が「ピキッ」とする嫌な痛みでした。
整形外科にでも行こうかと考えましたが、これが意外と日常生活にはほとんど影響がありませんでした。
ダッシュをする時だけ激痛が走る状態で、ジョギングすら普通にできていましたので、これなら大丈夫だろうと考えて病院には行きませんでした。
いくら脂肪燃焼に効率よいトレーニングでも、これだけ体に負荷をかけ続けていたら、そのうち「靭帯損傷」や「アキレス腱」を断裂するような大ケガしそうですし、何より心臓が危ないです。
そいうことでトレーニング内容を見直してダッシュするのを止めました。
いい年してタバタプロトコルでの「全力ダッシュ」は大変危険です。これはもう自殺行為に等しいです。
結局ダッシュするタバタ式トレーニングは20回ぐらいはやりました。
ダッシュよりバーピージャンプが安全
中高年には危なすぎるタバタダッシュから、タバタ式の「スクワット」や「バーピージャンプ」に切り替えました。
20秒間全力のスクワットかバーピージャンプ
↓
10秒休憩
これを5回繰り返すパターンです。この2種類のトレーニングは心臓に負担は少ないです。筋肉痛も普通でした。
でも肉体的にキツイのは変わりなく、バーピージャンプをやると中盤からは足腰が鉛のように重くなってきます。
地上から1cmぐらいしかジャンプできてないんじゃないかと錯覚するぐらいです。
バーピージャンプのやり方
自宅でできるHIITタバタプロトコル
スクワットやバーピージャンプのタバタ式トレーニングは畳一畳ぐらいのスペースで行えるため、自宅で気軽に始めやすいです。
トレーニングをやる「おっくうさ」は始めるための準備にあります。
スポーツウェアに着替えたり、押し入れからトレーニング機器を引っ張り出すのってホント面倒なんです。
押し入れからダンベルを出すのが面倒だなあって思って、ダンベル筋トレをサボったのは1回や2回ではありません。
その点でタバタ式トレーニングは器具も使わずに省スペースでやれます。リビングに居ながら思い立ったらスグにトレーニングができてしまいます。ということで三日坊主になりにくいのです。
昨日の晩は飲み会で食べ過ぎたから、ちょっとタバタやっとこって感じでTVを見ながらサっとやることも可能です。
タバタプロトコルにダイエット効果はあるのか?
タバタ式トレーニングにダイエット効果は期待できません。「タバタ式トレーニングで脂肪が減った」というエビデンスはないそうです。
ええぇぇー!!です。
タバタ式トレーニングの開発者「田畑教授」が自身の著書で書いているので間違いないです。
そもそもタバタ式トレーニングは数分間のトレーニングですので、脂肪を燃焼するはずがないのです。
持久力がついたことで運動量が増えて痩せるということはあるそうです。
よくよく考えてみりゃ当たり前です。
脂肪を燃やすには有酸素運動を20分以上続けないとダメだというのは基本中の基本です。
いくらキツイ運動をやっても、たかが4,5分で痩せるワキャないのです。
わたくしそんな基本を完全に忘れておりました。ネットの情報やYouTubeのノウハウ動画にまんまと踊らされました。
効率よく痩せると思って死にそうになってやってたのに、あの時の異常な「筋肉痛」と「過呼吸」はなんだったのか・・・。
私は一生懸命持久力を高めるためにタバタをやっていたのです。
痩せないという話ですけども例外はあります。それは5分のタバタ式トレーニングを4回以上(合計20分以上)続けることです。
そうすればダイエット効果は確実にあります。ただ死ぬ思いをするだけです。これができる体力の持ち主であれば脂肪は燃えまくります。
タバタ式トレーニングの効果とは
で、「結局何に効果があるの?」ってことです。脂肪燃焼効果はあまり期待できませんが、筋力および持久力のアップや糖尿病をはじめとする生活習慣病の予防につながることが分かっています。
「坂道ダッシュ」や「スクワット」を取り入れたタバタプロトコルなら、足腰などの大きな筋肉が鍛えられます。
それによって得た筋肉が代謝をよくしてくれます。回りまわって痩せやすく太りにくい身体に変わるという流れにつながります。
また「最大酸素摂取量や最大酸素借を高めることで身体能力が上がる」という効果もあります。
まとめ
タバタ式トレーニングはすっかり認知されていきました。
1年ぐらい前にバラエティー番組の『ホンマでっかTV』で取り上げられ、雑誌などでもその有用性が高いということが証明されてきています。
趣味でハードなスポーツをやっているとか、マラソン大会なんかに出場するような人に向いているトレーニングです。
体操教室カーブス
世の中でタバタ式トレーニングのような内容を軽く長くやってるのが「カーブス」なんじゃないんでしょうか。
おばさんたち専用の「体操教室カーブス」は、身体に少し負荷がかかるサーキットトレーニングを30分やることで、全身の筋肉を増やし、太りにくい体型を維持できることで人気を博しているようです。
筋肉が増えれば基礎代謝が上がり「内臓脂肪」と「皮下脂肪」の両方が燃えやすくなります。肥満になりにくいことで健康体も保たれるということです。
タバタ式トレーニングをやれば「1日5分でやせる!」なんてことはありませんが、健康体になって筋力アップや持久力アップが期待できますし、短時間で気軽に運動したい方には向いてます。
運動不足解消にはちょうどいいです。